【院長先生に聞いてみた】水野 浩茂先生 ミズノ動物クリニック(千葉県印西市)院長

【院長先生に聞いてみた】水野 浩茂先生 ミズノ動物クリニック(千葉県印西市)院長

社会人としての基礎を作った製薬会社勤務

製薬会社で薬の安全性試験に携わる仕事に携わっていたのですが、どうしても獣医師の夢を諦められずに退社し、浪人生活の末に麻布大学獣医学部に入学しました。大学時代は同級生が9歳下になるので、はじめのうちは遠回りしたなと感じていましたが、動物病院業界以外での働き方を身をもって経験できたことは間違いなくプラスでしたね。ややもすると動物病院は個人プレーになりがちですが、一般企業だと同僚やパートナー企業と協力しないと成果を残せませんので、皆で同じ方向を向いて仕事をする感覚を身につけられたのは財産だと思います。

副院長に言われた「最近の院長、診察中冷たいですよ」

特に独立してはじめのうちは、自分一人でなんでもやらないといけませんし、病院を大きくして経営を安定させるためにとがむしゃらに働いていました。そういう働き方を続けていると自分のことしか考えられなくなり、副院長からある時「最近の院長、診察中冷たいですよ」って言われたんですね。当時の自分は完全に限界を超えてしまい、無理していた部分やかっこつけていた部分が露呈していたんだと思います。わざわざ院長にそんなことを伝えてくれた副院長には本当に感謝しています。 悩みを抱えていたそんな時期に、尊敬する先輩獣医師に悩みを相談したところ、院長が目の前の診療を行うのも大事だけどそれだけじゃないよと次のアドバイスをくれました。

院長の仕事は、実は2つしかない

その先輩は、院長の仕事は基本的に次の2つしかないと断言します。「1つ目はスタッフの夢を応援すること。2つ目は全ての責任を負うこと」。1つ目は、スタッフの皆が安心して暮らすことができ、自己実現できる環境を整えること。2つ目は、何かトラブルが起きて謝る必要がある場合にはトップとして謝るということを意味します。これを聞いて「診療だけをやるわけではない院長がプレイヤーとして最前線にいるのはかなり厳しい。その2つのことであれば自分でもやれるかも」と思い、肩の荷が下りたことを思い出します。その時にはやる気と実力のあるスタッフがついてくれていたので、私が勝手に気負ってしまっていたんだなと気づくことができました。

人は任せられると成長する

私は基本的には手術に出ないのですが、そうなるとやる側は自分がやるしかないから自然と本気になります。もちろん事故にならないように専門の先生方や外部のアドバイザーの協力を得るなどしてセーフティーネットは敷いていますが、やりたい人がどんどんやれる環境を整えているので、細かいことを言わずともスタッフが成長していきます。最近は自分の診察の指名を勤務医に取られることもあるのですが、そのことでスタッフの成長を感じることができ、嬉しい気持ちになります。「自分が診療に携わらないのは獣医師としてのプライドが許さない」という感覚は一切なくなりましたね。私は前に出て引っ張るタイプではないので、前に出て活躍したい人を後押ししていきたいと思っています。

私が大学生の頃

アメフト部に所属。2度目の大学生活だったのでそれはもう楽しい日々。仲間と最高な青春を過ごしました。

お仕事中の一コマ

パートナー企業さんによる勉強会に参加した時の様子。院長が参加する時もあります。

休日の一コマ

仲間の獣医師やパートナー企業のみんなに誘われ、海釣りに行くのが今の趣味。やっぱり大自然と仲間に囲まれる時間は最高です。魚は釣れたら嬉しいけど、釣れなくても楽しい。

PROFILE

農学部畜産学科卒業後、製薬会社にて3年間勤務。その後獣医師になる夢を追うため退社し、1年間の予備校通学期間を経て麻布大学獣医学部へ入学。大学卒業後は埼玉県と三重県の動物病院にて6年間の勤務医を経験し、2006年に千葉県印西市にて開業。2013年に現在の地へ移転。

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