【院長先生に聞いてみた】辻川 俊介先生 オハナペットクリニック(千葉県八千代市)院長
こんな働き方、いつまで続くのだろう
最近はどの病院も働き方は労働基準法に則り無茶な働き方はさせなくなっていますが、私が勤務医の時は違いました。朝8時〜24時まで働くことはザラで、やりがいはありましたが体力的に仕事を楽しめる状態ではありませんでした。実力を磨くための修行として貴重な体験をさせていただいていたので私は耐えることができましたが、たえられず退職した方も見てきました。そのハードワークさから、当時は「子供には獣医療に携わる仕事をさせたくない」という声も聞こえてきており、こういった体験が「私が開業する際には、スタッフが生き生きと働ける環境を作りたい」という思いを育んできたように思います。
スタッフの幸せから全てがスタートする
そんな過去があるため、今の病院のモットーは「楽しくなければ仕事じゃない」。自分が心底苦しい時に他人に優しくすることはできないので、まずは飼い主さんよりも先にスタッフがやりがい、楽しさを感じる環境を作ることを優先しています。特に人間関係はスタッフのモチベーションに大きく影響するため、人間関係が深まるようにちょっとした社内イベントも大切にしています。 ただ、注意をしなければいけない時はわだかまりを生まないよう正しく伝えます。この時は、人(人格)を問題視せずにルールを問題視するようにすることで、その人が人格否定されたように感じさせないように心掛けています。
病院移転をきっかけに更なる成長を
今年の秋に、今の病院の場所から徒歩数分のところに病院を移転します。スタッフも飼い主さんも増えたので、次の一歩を踏み出し病院を拡充させます。折角移転するのだからと、スタッフからも要望をあげてもらい、スタッフルームの広さやシャワールームの有無などを決定しました。 そういえば当院の社員旅行の行き先を決めるのもスタッフですし、「当院は自分たちの病院」という感じが強い気がします。組織には様々な形があると思いますが、私流のやり方は、ボトムアップを重視しつつ、ここぞという時はトップダウンで決める。私が気づけていない部分、感じられていない部分は必ずあるので、チームでより良い成長を目指しています。
次は経営者としてのレベルアップを
使い古された言葉かもしれませんが、自分の人生で一番若いのは今日という日。こう考えると、まだまだやらなければいけないことが思い浮かびます。開業してからの2年間は初めて挑戦することばかりで思い悩む日々で結構苦しかったのですが、今はそのステージを脱し、「次はどんなことをやろうか」と新しいことを考える余裕が生まれてきました。 私は獣医師であると同時に経営者でもあるので、病院が正しいベクトルに向かって進むように誘導するのも私の役目です。近年は様々な院長先生とお会いさせていただいたり、医療以外の勉強会に参加したり、病院見学をさせていただいたりと、経営側の知識のキャッチアップもできるようになり、「どうしたらスタッフや飼い主さんに喜んでもらえるか」を考えるのが楽しいです。私のこれまでの経験、スタッフや同業者の方の知見をお借りしながら、オハナペットクリニックを大きく前に進めていきます。
私が大学生の頃
大学生のころは休みのたびにバックパッカーをしていました。主に沖縄の離島、東南アジアへ行っていました。何度か危ない目にも遭いましたが、結果無事でいれているので「なんとかなる」マインドはこの頃培ったのだと思います。
笑顔の一コマ
趣味はマラソンで、昨年はスタッフと一緒に地元の大会にも出場しました。先日ハーフマラソンにも挑戦し、健康と体力維持のためにトレーニングに励んでいます。
休日の一コマ
家族との時間も大切に!
休みの日は仲間たちと音楽イベントに行くことが多いです。千葉で行われているフェスも多くあるので勤務医時代より多く参加できるようになりました。音楽と仲間とお酒、最高です!
PROFILE
麻布大学卒業後、静岡県の動物病院にて7年間勤務しながら日本大学動物病院にて6年間研修医を務める。その後、神奈川の動物病院にて副院長として勤務。2017年にオハナペットクリニックを開院。2024年秋に病院を移転し更なる高度医療を実現するためにCTを導入予定。千葉県出身。