2024.10.11 コラム記事

獣医師の入職3年以内の転職は不利?|メリットとデメリットを解説

獣医師の入職3年以内の転職は不利?|メリットとデメリットを解説

獣医師としてキャリアをスタートさせたものの、現職で働き始めて3年以内の転職を検討している方は少なくないでしょう。しかし、3年という短い期間での転職は、周囲からの理解を得られなかったり、キャリアプランに不安を感じたりと様々な葛藤を抱えることも多いのではないでしょうか。

本記事では、獣医師の入職3年以内の転職について、メリットとデメリットを詳しく解説していきます。

転職を検討している獣医師の方々が、自身のキャリアプランや状況を踏まえて、より良い選択をする参考になれば幸いです。

入職3年以内の転職のメリット

獣医師がある程度ひとりで診療を行えるようになるには、新卒で入社してから約3年かかると言われています。

そのため「3年は続けたほうが良い」と良く言われますが、必ずしもそうではありません。こちらでは入職3年以内の転職のメリットを説明します。

キャリアパスの早期修正

入職3年以内の転職のメリットは、キャリアパスを早期に修正できることです。獣医学部を卒業して最初に就職した職場が必ずしも自分に合っているとは限りません。事前に説明会や実習に参加しても、いざ働き始めると様々なことが見えてきます。職場環境や診療方針、自院に集まる症例の幅や深さなど、慣れてくると様々な気づきがあるでしょう。

早い段階で自分の適性や希望するキャリアパスに気づき、転職することで軌道修正できるのは大きなメリットです。

給与・待遇の改善

転職を行うメリットには、給与・待遇の改善があります。獣医師の需要は高く、転職市場も活発です。入職3年以内の転職であっても「就職先がどこもない」といったことはまず無いでしょう。自身の経験やスキルにより、より良い給与や待遇を得られる可能性があります。企業病院や獣医を求めている一般企業への転職は、待遇面での改善が期待できます。

専門性の獲得

入職3年以内の転職のメリットには、入職後すぐに特定の分野に興味を持った場合、早期に専門病院や研究機関に転職することで、より早く専門性を身につけることが可能な点が挙げられます。これは将来のキャリアにとって大きなアドバンテージとなるでしょう。

入職3年以内の転職のデメリット

入社3年以内に転職することは、どのように不利になるのでしょうか。

経験不足による不利

入職3年以内の転職のデメリットは、新卒同様に経験者のみ募集しているような病院へは応募ができないことです。

目的に沿った転職希望先があっても、経験者からしか応募を受け付けていない病院も複数あります。事前に確認しておくと良いでしょう。

本人の能力や実績にもよりますが、入職3年未満の転職は新卒同様の条件で就職となる可能性が高いでしょう。

 評価への影響

早期転職のデメリットは、明確な転職の目的や理由が伝えられない場合、「またすぐ辞めてしまうのでは?」といったマイナスな印象を持たれることです。

どこの動物病院も、できるだけ長く働いてもらいたいと思いながら採用活動を行っているからです。そのため、面接では転職の目的をしっかり持ち、志望動機を強くアピールすることが重要です。

このような場合は早期転職を

入職3年以内の転職にはメリット・デメリットがありますが、以下のような場合は早期転職をおすすめします。

明確な目標や目的がある

入職3年以内でも早期転職を行ったほうが良いパターンは、はっきりとした目標や目的があり現職ではそれが実現できない場合です。

現職での経験もとても大切ですが、時間は有限です。今後のキャリア形成において「現職では今後のキャリアに向け、学びや経験がこれ以上得られない」と判断した場合、早期に転職を決意したほうが良いでしょう。

ただし自分の知識やスキルの価値を客観的に見極めて、慎重に行うことが重要です。

劣悪な職場環境

現在働く病院が劣悪な職場環境である場合は、入職3年以内でも早期転職を行ったほうが良いでしょう。

病院内スタッフのパワハラやセクハラ、残業代の未払い、が横行する「ブラック」と呼ばれる労働環境なら早めの転職が良いこともあります。

我慢した結果、心身に不調をきたして仕事さえできなくなるケースもよく耳にします。

体調を崩す前に、早めの転職を検討してみましょう。

入職3年以内の転職を成功させるためのポイント

入職3年以内の転職を成功させるには、以下のポイントを押さえることが大切です。

明確な転職理由を持つ

転職を成功させるポイントとして「なんとなく環境を変えたい」ではなく、具体的な転職理由、転職によって実現したいことを持つことが重要です。

  • 院長一人ではなく、複数人獣医がいる病院へ行きたい
  • 診療へ集中できるように通勤時間を短くしたい
  • 教育カリキュラムが整っている病院へ行きたい

など、明確な目標があると転職活動がスムーズになります。

自己分析を徹底する

転職を成功させるには、自己分析をしっかり行うことが重要です。

  • 診療経験範囲とスキル
  • 興味のある分野
  • 自分の強みや弱み
  • 長期的なキャリアビジョン

これらをしっかり考えることで、自分に合った職場を見つけやすくなります。

慎重に次の職場を選ぶ

転職先の選択は慎重に行いましょう。転職を考えたポイントを重点に考え、職場の雰囲気、勤務条件、将来性などを十分に確認し、自分のキャリアプランに合った環境を選びましょう。

まとめ

獣医師の入職3年以内の転職は、メリットとデメリットの両面があります。早期のキャリア修正や給与・待遇面の改善というメリットがある一方で、評価への影響の可能性というデメリットもあります。

重要なのは、自分のキャリアプランや現在の状況をしっかりと分析し、慎重に判断することです。

転職は大きな決断ですが、十分な準備と明確な目標があれば、キャリアアップの大きなチャンスとなります。

最後に、転職を考える際は現在の職場での経験や人間関係も大切にしましょう。獣医療業界は狭い業界です。どのような選択をするにせよ、これまでの経験は必ず今後のキャリアに活きてきます。入職から今まで「給与をいただきながら勉強させてもらっていた」という感謝の気持ちを持つことも大切です。

自分の価値観や目標に照らし合わせて、最適な選択ができることを願っています。

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