動物医療業界を目指す学生たちの「リアルな本音」
動物医療業界を目指す学生たちは、今どんなことを考え、どんな不安を抱えているのでしょうか。 先日、就職活動を控えた動物看護学生約50名を対象に行ったアンケートから、彼らの偽らざる本音が見えてきました。
そこには、業界の厳しさに直面しながらも、理想の動物看護師像を追い求めようとする等身大の姿がありました。
1. 厳しい現実、それでも目指す理由
今回のアンケートで多くの学生が口にしたのは、業界に対する「厳しさ」への再認識でした。
給与と業務のバランスへの不安
「動物看護師は手取りが低い」「実務に対しての給与がやっぱり低めだなと感じた」「仕事内容の割に給与が低く根性がなきゃ続かない業界」といった、待遇面に対するシビアな意見が多く見られました。
命を預かる責任の重さ
しかし、それ以上に目立ったのは「命の重さを改めて考えられる」「やりがいもあるが、責任がある仕事だと感じた」という、医療従事者としての覚悟です。忙しさや大変さはあるものの「その分やりがいのある仕事だと感じた」という前向きな声も多く、厳しさを理解した上で志す学生の強さがうかがえます。
2. 「スキルより人間性(姿勢)」が評価される
就職活動やインターンシップにおいて、学生たちが最も衝撃を受け、かつ納得したのが「技術よりも人間性(姿勢)が見られている」という事実でした。
技術は後からついてくる
「ずっと『スキルより姿勢だよ』って言われていたけど、改めて病院側が見ていることがスキルより意欲とか姿勢だということがわかった」「技術は後から身につく。でも、姿勢は最初から見られている」という言葉が、多くの学生の心に刺さっています。
評価される「具体的な行動」とは?
では、現場は具体的に何を見ているのでしょうか。学生たちの感想から、評価されるポイントが明確になりました。
- 挨拶と愛嬌: 「挨拶がしっかりできて愛想がよく、清潔感がある」「素直でハキハキしてて明るくて清潔感がある人」
- 学ぶ姿勢(メモ・質問): 「メモをきちんととる、ハキハキ喋って分からないことがあればすぐに聞く」「わからないことをそのままにせず、適切なタイミングで質問したり、メモを取りながら学ぼうとする姿勢」
- 素直さと謝罪: 「自分のミスを素直に認め謝り改善する」
3. 「最初の数分」で勝負は決まっている
「面接合否はほぼ最初で決まる」「入ってきた時の挨拶や身だしなみなど、入ってくる前から評価するところもある」という話も、学生たちに強い印象を与えました。
第一印象の重要性を再認識し、「今まで電話する時とかもめっちゃドキドキしていたが、もうちょっとラフにして固くなり過ぎず、やる気を人一倍みせたい」「履歴書はパソコン入力でも選考に影響がなくなってきていることを聞き安心した」など、形式にとらわれすぎず、自分らしさと熱意をどう伝えるかに意識が向き始めています。
4. 理想の病院選びは「チーム」と「マッチング」
「給与」「待遇」はもちろん大切ですが、長く働き続けるために学生たちが最も重要だと感じたのは、「人間関係」と「病院との相性」でした。
チーム医療の現場
「動物医療業界は専門性が高く責任も大きい分、チームとして支え合う温かさが必要」「スタッフの関係性が良くなければ、自分がやりたいことをやっていても憂鬱に感じてしまう」という意見は、まさに現場の真理を突いています。
「選ばれる」だけでなく「選ぶ」視点
「病院によって何を大切にしているかや、目指す方向性が違ったりするので、自分に合う病院をしっかり見て決めないとなと思った」。 自分たちが病院を「選ぶ」視点を持つことの重要性に気づき始めています。
5. これから実習・面接に臨むあなたへ
今回のアンケートからは、学生たちが「不安」を「行動」に変えようとするポジティブな変化が見て取れました。
- 「わからないことを聞かない人は悪い印象を持ちます。挨拶を笑顔でできる人は良い印象を持ちます」
- 「実習は技術よりも態度や協調性が評価される場であるため、主体性と謙虚さの両立が大切」
これからインターンシップや面接に向かう皆さんに伝えたいのは、「完璧な技術」ではなく、「一緒に働きたいと思わせる素直な心」です。
挨拶をする、目を見て話す、メモを取る。 当たり前のことを当たり前にできる「人間力」こそが、あなたの最大の武器になります。つなぐワークでは、そんな皆さんが「自分らしく」輝ける病院との出会いを応援しています。