宇治動物病院/動物整形外科センター 院長
野尻 紋美先生
2003年 日本獣医畜産大学卒業(現日本獣医生命科学大学)。
2004年ファーブル動物病院(現ファーブル動物医療センター)勤務。
現在は、宇治動物病院/動物整形外科センター・ファーブル動物医療センター/整形外科の2病院に務める。AO Vet Faculty(FEP/Faculty EducationProgram修了)。日本小動物外科専門医レジデント修了。獣医麻酔外科学会整形外科委員会。

- エリア
- 出身学校
圧倒的な症例件数を誇るママさん整形外科医
野尻先生の道のり
担任のひと言が変えた未来
整形外科に挑む獣医師の原点
もともとは福祉関係の仕事に就こうと考えていたのですが、高校3年生の夏に進路を迷っていた私に、担任の先生がひとこと「ご実家が動物病院という環境があるのなら、まずは獣医師の資格を取ってみては?」とアドバイスしてくれたんです。動物が好きだったこともあり、その言葉にすごく納得感があって、獣医師を目指すことを決めました。大学時代は軟部外科の研究室に所属していたので、正直、当時は整形外科に対して特別な興味があったわけではありませんでした。ただ、卒業後の進路を考えるなかで、「せっかく働くなら、専門性の高い分野でしっかりと技術を身につけたい」という思いが強くなり、整形外科に力を入れているファーブル動物医療センター(大阪府門真市)で勤務することを選びました。
その後は大学病院での研修医経験も経て、現在は実家の宇治動物病院でも整形外科手術を担当しています。あのとき整形に飛び込む決断をしていなければ、今の自分はなかったと思います。
獣医師としての軸となる専門分野を持てたことは、私にとって非常に大きな財産ですし、これからのキャリアのベースにもなっています。
家族と支え合いながら挑む獣医療
整形外科と子育ての両立の日々
現在は、宇治市にある実家の宇治動物病院と、大阪にあるファーブル動物医療センターの両方で勤務しています。どちらも整形外科の診療・手術を中心に担当しており、それぞれの病院で異なる症例に向き合うことで、日々学びがあると感じています。実家の病院では、父が院長として、母が経理や事務周りを担ってくれており、私は診療に専念できる体制になっています。家族の支えがあることで、安心して仕事に取り組めていることは本当にありがたいです。
また、家庭では子どもたちとの時間も大切にしています。まだまだ子育て真っ最中なので、仕事との両立は常に課題ですが、周囲の協力を得ながら日々やりくりしています。時間の使い方を工夫して、どちらにも手を抜かずに向き合うようにしています。「完璧にこなす」というよりは、その日その日で優先順位を見極めながら、自分なりのペースで進んでいくことを心がけています。特に整形外科のように集中力を求められる分野では、プライベートとのバランスがとれていることが、良い仕事をするうえでとても大事だと感じています。
技術と信頼を次世代へつなぐ
地域に根ざした獣医療のこれから
今後、獣医療全体においてもそうだと思うのですが、技術の継承は非常に大きな課題です。実際、診療をこなせる獣医師は増えてきている一方で、高度な整形外科手術まで対応できる人材はまだまだ限られていると感じています。私自身、これまでプレイヤーとして現場に立ってきましたが、今後は技術を若い世代にどう伝えていくかを真剣に考えていかないといけないと思っています。
また、経営面に関しても、現在は父と母に多くを任せている状況ですが、今後のことを考えると、私がしっかりとバトンを受け取り、病院全体を見渡す立場になっていく必要があります。診療と経営の両立は簡単なことではありませんが、患者様やスタッフにとって居心地のよい環境を維持するためには、どちらの視点も持ち合わせていることが重要です。
宇治動物病院は、地域に根ざして長く続いてきた病院です。これからもその信頼を守りつつ、新しい時代に合ったかたちで成長していけるよう、自分自身もアップデートしながら進んでいきたいと思っています。
お仕事中の一コマ
手術室とリハビリ施設を新設しました。看護師さんと連携して、術後のリハビリも実施できる環境が整い、今まで以上に多くの整形外科症例に対応できるようになりました。

私が大学生の頃
タフツ大学での海外臨床実習の時の写真です。たくさんの刺激を受けました。

休日の一コマ
娘がライブに行きたいからと、毎日推しグループのプレゼンを聞かされ続けて早2年。まんまとハマって、今では一緒にライブ参戦しています。
