【つなぐワークスペシャル対談】ロビンス動物病院 井出院長&ルドルフどうぶつ病院 田處院長

【つなぐワークスペシャル対談】ロビンス動物病院 井出院長&ルドルフどうぶつ病院 田處院長

少しでも多くのペットと飼い主を笑顔にできるように、名師弟コンビがささえる徳島の獣医療体制

自己紹介とお互いに対する印象的なエピソードをお願いします

井出:北里大学を卒業後、兵庫県のアリサト動物病院(現・兵庫ペット医療センター)で小動物の診療を学び、オーストラリアのクイーンズランド大学で約1年間外科の研修を受けました。帰国後は生まれ育った徳島に戻ってきて、ロビンス動物病院を開業したかたちです。

田處先生:僕もですね、井出先生と同じ北里大学を卒業しました。神奈川県内の動物病院に就職して、2018年から1年間井出先生の元でお世話になって、その後開業しました。井出先生には、実は実家で飼っていたルドルフを診てもらったことがあります。井出先生は大切なかかりつけ医であり偉大なる先輩ですね。やさしい人柄もあいまって、井出先生のことを慕っている飼い主さまや獣医師は多いのではないでしょうか。

井出先生:田處先生の印象はですね、とにかく誠実で真面目な人。獣医師としての腕も確かで、十分自信をもって診療に励んでいるという印象を、そばで見ていて受けました。診療スタイルも、着実かつ堅実に一手ずつ進めていくタイプ。人柄から受ける印象そのままですね。

田處先生:井出先生とのエピソードはたくさんあります!特に印象的だったのは、先生の分院での手術見学。見に来ないかと誘っていただき現地に行ったら、「せっかくだから手術してみない?」とその場で持ち掛けていただいたんです。すでに信頼していただいていたのか、それとも技量を見てみたいと考えられていたのか……。僕にはすごく印象的なエピソードだったのですが、井出先生は覚えていますか?

井出先生:ええ、もちろん。すでに神奈川県内でご活躍されていたのと、お話を聞いてみて十分なスキルを持ち合わせていると考えていましたのでね。ウチでも十分ご活躍いただけると判断して、手術見学からの実践をお願いしたんです。

田處先生:そう考えていたのですね。後進に対して何か経験を積ませたり業務を任せたりすることは、その人にとって勉強の機会になることを、身をもって実感しました。自分も将来、井出先生のように後進の獣医師たちがのびのびと着実に成長できる環境を作っていけるようにしたいです。

井出先生:田處先生ならできますよ。知識と経験に裏打ちされている指示出しや指導を、よく他の獣医師や看護師に実施していましたからね。田處先生のもとで修業した獣医師や看護師は、田處先生の指導を受け続けることで診療に関する知識と経験が少しずつ確実に増えていくんだろうなと感じています。

井出先生は、田處先生のように開業を見据えている若手獣医師も積極的に受け入れているとのことですね。理由をお聞かせいただけますか?

井出先生:可能なら長く働いてもらいたいのは確かです。しかし、それでもなお私が若手の獣医師の先生たちを積極的に採用しているのは、ひとえに徳島で生活しているペットと飼い主さんを支えたいからです。獣医療は、近年ますます高度化と細分化が進んでいます。診療をするにしても、たとえば腫瘍、皮膚病、外科では、必要な知識と設備はそれぞれ異なりますよね。また、入院や通院などが必要になったら、今度は継続的な獣医療の提供が医療機関には求められるでしょう。そうやってより広い視野で考えてみると、一人の獣医師、ひとつの動物病院でできることには限界があるんです。地域全体の動物病院が協力しあえれば、地域規模でのチーム医療の輪ができます。田處先生のように若手の獣医師の先生が独立すれば、チーム医療のメンバーが増えて、チーム医療の輪もより大きくて強固なものになると考えています。ですから、ウチで勤務し修行した獣医師の先生たちが徳島で開業するのも大歓迎。

田處先生:たしかに、徳島では横の連携がしっかりとれていますよね。「この疾患や治療だったら、この先生に紹介しよう」という考えが各獣医師に浸透していて、実際に獣医師間や医院間の紹介に至るケースも多いですよ。井出先生は鳥類、特に猛禽類の診療で知られている先生ですし、僕は整形外科でも骨折に対する外科手術の相談を受けることが多いです。横の連携といえば、徳島に来て衝撃的だったのが、地域の獣医師の先生たちとの横のつながりを井出先生経由で持たせていただいたこと。井出先生は「開業をしようと考えている田處先生です」と皆さんにご紹介してくださって、他の獣医師の先生たちも「これからよろしく!」とフラットに受け入れていただきました。ほかの地域ではなかなか聞かないですよ。

井出先生が、田處先生をはじめとする「卒業生」に期待されていることをお聞かせください。

井出先生:地域の獣医療体制を支える一翼になっていただきたい。この一言に尽きますね。田處先生も感じているように、徳島だからできる獣医療体制と目指す将来像があって、実現は一足飛びにできるものではありません。一歩ずつ、確実に堅実に歩んでいくためには、横と縦の連携が非常に大切です。田處先生には、これから徳島で獣医師になる人と動物病院を開業する人たちにも積極的に声をかけていただき、彼らを地域医療の輪に巻き込んでいただきたいですね。

田處先生:責任重大ですね……。たしかに、若手の先生が縁もゆかりもない土地に来ると、その地の獣医師や医療機関とどうやってつながろうか一度は頭を悩ませると思うんです。自分も地域とかかわるきっかけを井出先生に作っていただけたことは本当にありがたかったですし、一人で頑張ることの苦悩もわかっていますので、これからの徳島の獣医療を盛り上げられるようがんばります!

お二人はUターン転職を経験されていますよね。一度地元を離れて戻ってきたから改めて感じる徳島の魅力をお聞かせいただけますか?

田處先生:徳島に戻ってきたのは約20年ぶりですが、生活で不便を感じることはないですね。車を10分くらい走らせれば必要なものは買えるし、大阪に出たいときもアクセスがいいので。あと、なにより食事がおいしくて最高ですね。よく「住めば都」といいますが、徳島は住むほどに魅力がある場所だと、Uターン以降感じていますよ。

井出先生:徳島は温暖な気候だからでしょうか、気性も穏やかでのんびりした人が多い印象です。京阪神との交流もさかんで、県外から人が来てもすぐに受け入れる度量と懐の深さも魅力かな。海も山もあるので、徳島にいるとマリンスポーツもゴルフもできます。自分の時間をしっかり楽しめるし、自然に親しめるので、徳島はとてもいいところです。

読者に向けてメッセージをお願いいたします。

井出先生:まず、現在獣医学生として勉学に励んでいる方に向けてお伝えしたいのですが、勉強をしていると悩んだり不安になったりすることも多々あると思います。歩みを止めたくなる瞬間もあるでしょう。でも、立ち止まらずに学び続けて獣医師になってください。獣医療には様々な分野があります。小動物の診療以外にも、できることはたくさんありますのであきらめないでください。すでに獣医師免許を取得されている方は、「転職したい」という気持ちがよぎったら、自分に合った領域と働き方を考えてみてください。獣医師が輝く場所は、動物病院以外にもたくさんあります。今の職場・今の業種が世界のすべてではないということです。なにより、興味がある領域をどんどん経験して、思っていたのと違うと感じるようであればまた次のステップを考えればいいわけですから。皆さんの歩む道の先が交わる瞬間があることを楽しみにしています。交わらなかったとしても、同じ獣医師として獣医療を一緒に盛り上げていきましょう。

田處先生:動物の体の仕組みというのは一緒です。獣医療そのものはどの地域でもできるし内容もさほど変わらないというのが、神奈川と徳島で獣医師として活動して感じていることです。そう考えると、徳島は獣医療を学ぶ「穴場」です。徳島に来たことがないという方は、まずは観光でも結構ですのでぜひ徳島に来てみてくださいね!

Profile

ルドルフどうぶつ病院 田處 俊之先生(院長/獣医師)

徳島県徳島市出身。北里大学獣医学科卒業。神奈川の動物病院やロビンス動物病院での勤務を経て2019年にルドルフどうぶつ病院を開業。

ロビンス動物病院 井出 直樹先生(院長/獣医師)

北里大学獣医学科卒業。兵庫県の有里動物病院での勤務、オーストラリア クイーンズランド大学 外科研修の後、1989年にロビンス動物病院を開業。

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