【院長先生に聞いてみた】平林先生 さくら動物病院(愛知県弥富市)院長

【院長先生に聞いてみた】平林先生 さくら動物病院(愛知県弥富市)院長

マラソンも医療も「楽しんで」続けた者勝ち
まずはやってみることが大事

できなさそうなことに挑戦したい

2011年には世界最高峰のトレイルランレースと言われるUTMBの中の1カテゴリーであるTDSに参加し、フランス・イタリアに位置するモンブランの113kmを走破したり、翌年2012年と2014年にはUTMB168kmも完走しています。この時に仲間になったトルコ人の友人に会うため、2015年にトルコで開催されたIznikUltraで133kmを走破したりしていて、これらを伝えると大抵走るのが以前からよほど好きだったのですねと言われるのですが、実際はそうでもありませんでした。学生の時には陸上部として長距離を走っていましたが、社会人になってからは全くで。37歳の時にネタの1つくらいの軽い気持ちハーフマラソンに出場したのですが意外に走れたことがきっかけとなり、20kmを走れたのだからもっと長い距離もいけるだろうという甘い考えから140kmの萩往還を走破し、それから250kmの萩往還を、さらに520km日本横断レースを走破したりと、どんどんエスカレートしていった感じです。走っていると頭の中がとても整理されて、どんどん新しいアイデアが出てきますし、気持ちのリフレッシュにもなります。仲間と走ることも多いので、なにより楽しいんですよね。「一見できなさそうなことに挑戦したい」という思いが走り続けるモチベーションにもなっています。

マラソンと仕事は似ている
まずは現在地を知ろう

100kmや200kmを走るとなると当然ですが準備無しでは走れないんですね。まず必要なのは「現在地を知るためにやってみること」。マラソンの場合だと今の自分はどれくらいの速さでどれくらい走れるかを知る、ということ。そうするといつまでにどういった準備が必要なのか全体像が見えてきて逆算できる。これは仕事でも全く同じことが言えます。目標を掲げるのは大事だけど、今の自分がどの程度のものなのかを知らないと目標と現実のギャップを測ることができない。私もしばらく走っていないと「こんなに走れないものなのか」と落胆しますが、現在地を知る点ではこの落胆は付きものです。自分のできない姿を見つめるのは少しきつい作業ではありますけどね。また、やってみることのもう1つのメリットは同志ができること。例えば学会などで、一緒に同じ方向を向いて努力している人が見つかると、目標達成までのヒントを貰えることがありますし、何よりモチベーションが上がります。
目標を叶えるためには負荷が必要ですが、一番大事だと思うのは好きなことを突き詰めること。嫌々ながらやっている人と楽しくやっている人とでは楽しくやっている人には叶いませんもんね。そういう意味では「何か自分がはまれるものはないかな」と色々やってみることは自分を成長させるためには必要なことなのだと思います。努力を継続できる人は多くはありませんが、マラソンも医療も続けた者勝ちだと思いますよ。

獣医師の社会貢献は獣医療だけではない

今では走ることと社会貢献を結びつけた活動も行っています。例えば、地元の弥富ライオンズクラブでチャリティマラソンの企画・運営を行ったり、ガン経験者の方が主催するチャリティマラソン大会の運営を手伝ったりしています。こういったチャリティマラソン大会に関わるのは地域を元気にしたいという思いからと、純粋に楽しいから。この経験を通じて、小児がん克服者の山岡虹太君が、「先生のような獣医師になりたい」と言ってくれたことが、私も嬉しいですが、この子の生きていく目標になれたこと喜びに成れたことに感動しました。
動物病院は地域コミュニティが基本となり成り立っているからこそ、私もできることがあれば還元したい。私は地元の小学校での「ふれあい教室」、職場体験学習、聴導犬・盲導犬募金、清掃活動などに携わっていますが、獣医師関係者の社会貢献の形は獣医療の提供だけに留まらないと思うんです。ぜひ皆さんも地域コミュニティの一員として、楽しんでできることを探してみてくださいね。

私が勤務医の頃

修行先の千村どうぶつ病院では住み込みで2年半ほど働き、その間は月20日間ほど夜間診療を1人で診ました。そのおかげで今があります。この写真は病院旅行で師匠の千村先生らとスキーに行った時のものです。よくご馳走になりました!

お仕事中の一コマ

名古屋から15分の住宅街にある当院は、金魚池や全国でも1番の早場米のある田園が広がるところにあります。26年目に入り、2〜3代目の方も多くいます。気さくな飼い主さんと過ごす時間は、いつも楽しいですね。

休日の一コマ

山へトレーニングへ!UTMB完走の夢を叶えるため、オペの隙間に山にトレーニングしに行っていました。欧州の山はでかくキツイですが、獣医師として初めてUTMB完走者になるべく、気持ちを新たに進んでいくという場面です。

PROFILE

北里大学卒業後、こなか動物病院(青森県)、千村どうぶつ病院(愛知県)にて勤務。その後愛知県弥富市にてさくら動物病院を開業。日本獣医循環器学会 循環器認定医、CCRP(犬の理学リハビリテーション)資格取得。

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