2024.09.25 コラム記事

勤務する動物病院の選び方〜個人病院と企業病院の違いを解説〜

勤務する動物病院の選び方〜個人病院と企業病院の違いを解説〜

近年、就職活動を行う際「個人病院」「企業病院」という言葉を目にすることが多くなりました。

勤務する動物病院を選ぶ時に「個人病院」「企業病院」どちらが良いか悩む方も多いのではないでしょうか?

本記事では、個人病院と企業病院の違いを解説していきます。

是非今後のキャリアプランを考える上で参考にしてください。

個人病院と企業病院の違いとは?

人が通う病院は医療法で「医療法人」と「診療所」「クリニック」の定義というものが存在しています。その一方、動物病院は運営上の定義が存在していません。

一部を除きほとんどの動物病院は法人(企業)が運営していますが、「個人病院」「企業病院」とカテゴリ分けをされることが多くなりました。

では、どのような基準でカテゴリ分けをされているのでしょうか?

一般的に言われている定義を解説します。

運営母体

  • 個人病院:一人または複数人の獣医師によって運営されている
  • 企業病院:比較的大きな企業や投資ファンドによって運営されている

病院数

  • 個人病院:1病院または分院を1病院展開
  • 企業病院:グループ展開をし病院数が多い

このように運営母体やかかえる病院数に応じて、個人病院と企業病院が区別されている傾向があります。

企業病院で働くメリット

大きな資本力が強みの企業病院は、組織化され安定した労働環境が整っている印象です。

こちらでは企業病院で働くメリットを具体的に解説していきます。

福利厚生が充実している

企業病院は福利厚生が充実している傾向にあります。

福利厚生の内容には

  • 住宅手当
  • 特別休暇や長期休暇の取得制度
  • 昼食やお弁当の補助
  • 社外研修
  • 健康診断の受診制度
  • 診察料やフード代補助
  • 産休育休の取得サポート

など、企業によって様々なものがあります。

人材育成の制度が整っている

企業病院は、医療水準を標準化するための診療マニュアルの作成や社内勉強会、一般的なビジネスマナー研修など人材育成に関する制度の整備を行っています。

新卒獣医師の教育プログラムやサポート体制が厚いことも特徴です。

給与水準が高い

企業病院は賞与や手当などを含めると、給与水準は個人病院と比較し高い傾向にあります。

手当の種類も多く、退職金制度についても規定がしっかり設けられている病院が多いです。

バックオフィス部門がある

企業病院は組織化されているため、経営と医療現場の役割がはっきり分けられています。

そのため、「経理」「総務」「人事」などのバックオフィス業務を専門で行う部署を設けていることも多く、獣医療に専念できる環境が用意されています。

キャリアチェンジが望める

企業病院はグループ病院が複数あり、病院規模も様々です。

自身のスキルアップやライフステージに合わせグループ病院間での移動、経理、総務、人事などのバックオフィスへのキャリアチェンジも可能で、その時その時で多様な働き方が選択出来ます。

企業病院で働くデメリット

企業病院の場合、規模が大きいだけにルールや制度がしっかりしている反面、新しい意見や提案をしても認められない、導入まで時間がかかるケースがあります。

また、希望した病院へ配属されない場合やグループ病院内での配置変更など転勤を余儀なくされる可能性もあるでしょう。

分業化が進んでいるため、他の部署やスタッフがどのような業務を行っているかが見えづらく、動物病院運営にかかわる業務すべてを経験してみたいという獣医師には物足りないかもしれません。

個人病院で働くメリット

院長を中心に病院が運営される個人病院は、院長の経営方針や理念に共感できる場合とても居心地よく、働きやすいでしょう。

こちらでは個人病院で働くメリットを具体的に解説していきます。

院長の診療を間近で見れる

個人病院は優秀で尊敬できる院長の場合、その診療を間近で見ることができます。

院長の得意な診療分野と自身の学びたい分野が同じ場合

  • 多くの症例を見ることができる
  • 深い知識や様々な病気へのアプローチ方を知れる

などのメリットがあります。

幅広い業務に関われる

個人病院は少ない人数で病院を運営するため、比較的幅広い業務を担うことになります。

診療外の病院運営にかかわる業務に関しても、担当できる機会に恵まれます。

柔軟性がある

個人病院は制度やルールが定まっていないことが多く、働き方や業務内容を院長の采配で決定できます。そのため、決裁までのスピードが早くイレギュラー対応ができる柔軟性があります。

個人病院で働くデメリット

個人病院の場合、働きやすい環境づくりに取り組んでいる病院もありますが、福利厚生や各種手当などは企業病院と比べて少ないという話も聞かれます。

また、比較的小規模の個人病院は人間関係が技術修得や診療の質に影響を与えやすい傾向にあります。

院長が経営や診療方針を一手に決めるため、方針に共感できない場合は働きづらく感じることでしょう。

まとめ

本記事では個人病院・企業病院の違いとメリット・デメリットを解説しました。

個人病院、企業病院ともにメリット・デメリットはあります。また、働く人の今後のキャリアプランによってもメリット・デメリットと感じる内容は異なるでしょう。

勤務する病院を選ぶ際は「どのような働き方をしていきたいか」「どのような職場環境を望むか」など、しっかりと自己分析を行い取り組んでいく事が重要です。

また、実際の病院見学や実習参加は入社後のギャップを減らすことにおいてもとても大切です。

是非積極的に参加し、自身に合った病院と出会えるよう就職活動を進めていきましょう。

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