2024.10.19 コラム記事

動物病院で働き続けたいあなたへ|産休・育休制度を活用し理想のワークライフバランスを実現しよう

動物病院で働き続けたいあなたへ|産休・育休制度を活用し理想のワークライフバランスを実現しよう

動物病院で働くことは、動物の健康を守り、飼い主の笑顔に貢献できるやりがいのある仕事です。しかし結婚や出産など、ライフステージの変化でキャリアと家庭を両立させることに悩む方もいるでしょう。

この記事では産休・育休制度の概要や動物病院のスタッフが制度を活用するためのポイントなどを解説していきます。ライフステージの変化による不安を解消し安心して働き続けられるよう、ぜひ参考にしてください。

産休制度について

産休制度とは「産前産後休業」として、労働基準法によって定められています。出産を控えた女性が安心して出産・育児に専念できるように設けられた制度で、出産前の体調管理や出産後の母体の回復を目的としています。制度の概要は以下のとおりです。

産前休業とは?

  • 取得期間

産前休業は出産予定日の6週間前から取得することができます。多胎妊娠(双子以上)の場合は14週間前から取得可能です。

  • 取得は任意

産前休業は希望者が取得できるものであり、必須ではありません。本人が望む場合は勤務を続けることも可能です。

産後休業とは?

  • 休業期間

産後休業は出産の翌日から8週間が対象期間です。期間中は法的に労働が禁止されています。産後6週間を過ぎた段階で本人が希望し医師が認めた場合に限り、軽い業務に復帰することが可能です。

  • 目的

産後休業は母体の回復を促進し新生児のケアに集中するために設けられた休業期間です。この期間を確保することで産後の女性が健康を保ち、適切に育児に専念できる環境が整えられます。

休業中に給与や手当はあるの?

  • 給与

産前産後休業中の給与は、勤務先からの支給義務がありません。多くの場合は無給扱いとなります。

  • 出産育児一時金

出産育児一時金は、健康保険や国民健康保険に加入している人が受け取れる給付金で、出産費用をサポートすることを目的としています。

1児につき50万円が支給され、妊娠4か月以上の出産であれば正常分娩だけでなく早産や死産、流産も対象となり出産に関わる費用負担が軽減されます。

受給方法は、加入している健康保険から出産した医療機関に直接支払われる「直接支払制度」の利用が一般的です。病院により制度の利用ができない場合があるので事前に確認しておくと良いでしょう。

  • 出産手当金

健康保険に加入している場合、産休期間中には「出産手当金」が支給されます。この手当金は出産に備えて働けない間の収入を補うために支給されるもので、標準報酬日額(給与の基準となる金額)の2/3が支給されます。手当金は産前休業期間と産後休業期間を通じて支給され、産休に入る前に支給申請を行う必要があります。

産前産後休業を取得するには?

  • 医師からの証明書を用意

産前産後休業を取得する際には、出産予定日を確認するための医師からの証明書が必要です。

  • 会社への申請

休業を取得する前に、勤務先に対して産前産後休業の申請を行います。出産予定日や休業期間について詳細な情報を勤務先へ提供することが求められます。

  • 出産手当金の申請

休業中に出産手当金を受け取るためには、健康保険の窓口で申請手続きを行う必要があります。申請は産休期間中や終了後に行うことが一般的です。

産前産後休業は、出産前後の女性の健康を守り、安心して育児に取り組める環境を提供します。体力を回復し精神的にも安定した状態で職場に復帰できるため、長期的なキャリア形成にも役立つ制度です。後述する育児休業制度と組み合わせることで長期間の休業が可能になり、ワークライフバランスが取りやすくなるでしょう。

<参考サイト>
産前・産後休業を取るときは 厚生労働省委託 女性の心とからだの応援サイト

育休制度について

育休制度とは「育児休業制度」として、労働基準法や育児・介護休業法によって定められています。出産後、一定期間仕事を休んで育児に専念できる制度で労働者が育児と仕事を両立できるように設けられており、男女ともに取得可能な制度です。制度の概要は以下のとおりです。

育児休業制度とは?

  • 育休の対象

原則として、1歳未満の子どもを養育する労働者が対象となります。保育所に入所できない場合などは最長で2歳まで延長可能です。

  • 育休の取得条件

雇用期間が1年以上、かつ育休終了後も引き続き勤務する予定のある労働者が対象です。男女ともに取得可能で、父親・母親ともに育休を取得することができます(パパ・ママ育休プラス制度)。

  • 仕事への影響

育休の取得は、職場への復帰が前提となります。育休を取得したことで、解雇や不利益な扱いを受けることは法律で禁止されています。

休業中に給与や手当はあるの?

  • 給与

育児休業中は、原則として労働の義務はなく就業することは想定されていません。ただし、勤務先と労働者が協議の上、一時的・臨時的に就労することが認められる場合があります。就労した分については給与が支払われます。月10日(または80時間)以内であれば、育児休業給付金も併せて受給することが可能です。

  • 育児休業給付金

育児休業中は、給与の代わりに雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。給付金の支給額は、育休開始から180日間は賃金の67%、181日目以降は賃金の50%が支給されます。この給付金は、育児休業を取得している間の収入を補うものであり、経済的な負担を軽減するためのものです。

育児休業制度を取得するには?

  • 申請書を準備

勤務先から育児休業申請書を入手します。

  • 申請日の決定

育児休業開始の1か月前までに申請書を勤務先へ提出します。

  • 給付金の申請

勤務先の指示に従い必要な書類をハローワークへ提出します。本人または勤務先が申請手続きを行います。

育児休業制度を利用することで、仕事を辞めることなく育児に専念する時間を確保できます。給付金の受給により休業中の経済的な負担も軽減され、安心して育児を行うことができるでしょう。

<参考サイト>
育児休業特設サイト 厚生労働省

動物病院スタッフが産休・育休を取得する際のポイント

動物病院での仕事は専門性が高く、スタッフ一人一人が動物病院内で担う役割は非常に重要なものです。産休・育休の取得は長期休業のため、スタッフの欠員に対して後任を調整するなど勤務先も準備が必要となります。産休・育休をスムーズに取得し、復帰後も円滑に業務を再開するためのポイントを詳しく解説します。

早めの報告と計画をしよう

早めの報告と計画は、産休・育休をスムーズに取得するための第一歩です。妊娠が判明したらできるだけ早く上司に報告し、休業期間のスケジュールを立てましょう。早めに報告することで、勤務先も人員の調整や後任スタッフの手配をスムーズに行えます。

休業期間が決まったら、業務の引き継ぎスケジュールを立て、休業開始までの期間を有効活用しましょう。少しずつ引き継ぎを進めることで業務を円滑に移行できるはずです。

しっかり引き継ぎをしよう

業務の引き継ぎは、産休・育休に入る前に必ず行うべき重要なステップです。自分が担当している業務内容や患者情報などを他のスタッフが把握しやすい方法で整理しておきましょう。必要に応じて引き継ぎ資料を作成すると良いでしょう。

後任のスタッフを育成しよう

引き継ぎ期間中に、後任スタッフや同僚への業務指導も行いましょう。動物病院のように専門性が高い職場では、単なる業務の引き継ぎだけでなく後任スタッフが業務を問題なく遂行できるように、スキルの伝授も必要になります。

復帰後の準備をしよう

産休・育休が終了し職場に復帰する際にも、事前の準備が欠かせません。復職時に慌てないように、次の点に注意して計画を立てましょう。

  • 復職時期の確認

 復職する時期については、産休・育休中も定期的に勤務先とコミュニケーションを取りながら決めましょう。希望の復職時期が近づいたら、上司や同僚と相談し具体的なスケジュールを確定させましょう。

  • 働き方の再検討

復職後の働き方について、事前に上司と話し合っておくことが重要です。育児との両立を考慮し、時短勤務やフレックスタイム制度の活用を検討することもひとつの選択肢となります。勤務先の就業規則を確認しながら、最適な働き方を選択しましょう。

  • 復職前の研修やトレーニング

長期休業後は、病院のシステムの変更や最新の設備について上司や同僚とキャッチアップすることが必要です。復職前に短期間の研修やトレーニングを受けることで、自信を持って現場に戻ることができます。

まとめ

動物病院のスタッフが、キャリアと家庭を両立しながら長く働き続けるためには、産休・育休制度の活用が不可欠です。いつから申請の準備や利用を始めるのか、あなたの理想のワークライフバランスをイメージしながら計画を立てましょう。

安心して働く職場を見つけるために、ぜひ当ポータルサイトをご活用ください。あなたの理想の働き方を実現するために、私たちがお手伝いします。

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