動物病院スタッフが失業保険を受給する方法|条件や手続きの手順を解説
動物病院スタッフが病院を退職後、再就職するまでの期間に国から貰えるお金があることを知っていますか?
自己都合で退職された方や、閉院や何らかの病院都合で失業した方を対象に、経済的な安定を提供し再就職を支援する制度を「失業保険」と言います。
本記事では、失業保険の受給条件や受給方法を詳しく解説します。
失業保険とは
失業保険とは、仕事を退職をした方が経済的な心配をせずに就職活動ができるよう、失業中にお金を支給してくれる制度のことです。
条件を満たしていれば、ハローワークで申請を行うことで失業保険の給付を受けられます。
失業保険とは通称であり、正式には、雇用保険の失業等給付制度に含まれる基本手当のことを指します。
失業保険を受給できる条件
失業保険を受給するには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
1.一定期間雇用保険に加入していること
基本的に、前職を退職する前2年間で通算して12ヶ月以上雇用保険へ加入している必要があります。ですが、病院都合やその他特別な理由で退職する場合は、必要な加入期間が異なるため、自身の状況と照らし合わせることが必要です。
加入状況や期間が不明な場合は、職場の動物病院に確認するか、給与明細の「雇用保険料」の箇所を確認すると良いでしょう。
2.失業状態であること
失業状態とは次の条件を満たすことを言います。
- 再就職の意志があり、積極的に求職活動を行っていること
- いつでも就職できる健康状態・環境であること
よって、病気・けが・妊娠・出産・育児などで働けない状態であったり、すでに次の勤務先が決まっている場合は失業保険の受給ができません。
失業保険の受給金額と期間
失業保険の受給金額は「基本手当日額」×「給付日数」で計算されます。
基本手当日額は、原則として、離職される直前の6ヶ月間に支払われた賃金の合計金額(賞与は除く)を、180で割った金額(賃金日額)の50%から80%です。基本手当の日額には上限があるため、これまでの給料が高かった人ほど給付率は低くなります。
給付日数は、年齢、勤続年数、退職理由によって異なり、通常90日から330日です。
また、基本手当を受け取ることができる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、所定給付日数分を受給し終わっていなくても、それ以後、基本手当の支給を受けることはできません。失業保険の手続きは離職後早めに行いましょう。
失業保険の申請に必要なもの
失業保険を申請する際、以下の書類が必要です。
- 雇用保険被保険者離職票
- マイナンバーカード(通知カード、個人番号の記載のある住民票でも可)
- 身元確認書類(運転免許証、官公署が発行した身分証明書)
- 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳・キャッシュカード
雇用保険被保険者離職票は離職後に前の職場である動物病院から郵送される書類です。ですが、離職票の発行を希望者のみとしている職場もあります。個人が経営する動物病院の場合は、事務処理を院長が行うことも多く、離職票を受け取るまで時間がかかった、催促しないと貰えなかったということも耳にします。
退職前に発行の有無を確認し、早めの発行希望を伝えておきましょう。
失業保険の申請手順
ここでは、失業保険の受給までの手順を解説します。一般的にはハローワークで失業保険の申請後、7日間の待機期間を経て、約1ヶ月後に振り込みが行われます。
しかし、自己都合で退職した場合は待機期間後、更に2ヶ月の給付制限があります。失業保険が貰えるタイミングは退職理由により異なることを念頭に置いておきましょう。
ハローワークで申請を行う
失業保険の手続きは、今住んでいる住所を管轄するハローワークへ自身で手続きに行く必要があります。
離職票が届き、必要書類の準備ができ次第早めに申請に行きましょう。
雇用保険説明会へ参加
失業保険の受給資格があると判断されると、雇用保険説明会への参加を案内されます。説明会では、失業保険の制度や受給に関する注意事項が詳しく説明されます。必ず参加が必要なため、開催日を忘れないようにしましょう。
失業認定日にハローワークで活動報告を行う
失業保険を受給するためには、定期的に設けられる失業認定日にハローワークで求職活動の報告を行う必要があります。
求職活動は具体的に
- 求人への応募
- ハローワークが行う職業相談、職業紹介を受ける
- ハローワークが行う各種講習、セミナーを受ける
- 許可・届け出のある民間機関が行う職業相談・職業紹介・セミナー等を受ける
- 再就職に関する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等
これらのことを指します。自身で求人サイトを閲覧した場合は求職活動と認められません。注意しましょう。
求職活動の実績が認められ、失業認定を受けると指定の口座に給付金が振り込まれます。
再就職が決まるまでの受給期間内、定められた給付日数に達するまで1ヶ月毎に申請を行うことで失業保険を受給することが可能です。
再就職手当について
再就職手当は、失業保険の受給期間中に再就職が決まった場合に支給される手当です。再就職が決まると、残りの給付日数に応じて一定の手当が支給されます。再就職手当を受給するためには、再就職先が前職と異なる企業であることや、一定期間以上の雇用が見込まれることなど、いくつかの条件があります。詳しくはハローワークへ確認すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、動物病院スタッフの失業保険について詳しく解説しました。
動物病院スタッフの転職は転居を伴う場合も多く、じっくり次の職場を検討したい場合は病院で実習するなど、時間を要することも多いですよね。そんな時は、失業保険の受給を行い、少しでも経済的負担を減らした形で転職活動に専念することをおすすめします。
失業保険は申請を行わないと受給できません。退職後は計画的に行動し、早めにハローワークで申請を行いましょう。
失業保険を受けるには
- 失業保険を受ける条件を満たしている
- 離職票を受け取りハローワークで申請をする
- 求職活動を行い、失業認定を受ける
これらの手順を正しく理解することが重要です。
また、自己都合の退職は失業保険の給付まで2ヶ月の給付制限期間があり、すぐに給付を受けられないことも理解しておきたいポイントです。
支援制度を理解しておくことは、いざという時の不安の払拭や選択肢を増やすことに繋がります。正しく理解し、受けられる支援制度を賢く活用できると良いですね。