【院長先生に聞いてみた】有藤 翔平先生 日本動物医療センター(東京都渋谷区)院長

【院長先生に聞いてみた】有藤 翔平先生 日本動物医療センター(東京都渋谷区)院長

独立よりも、症例が集まり常にステップアップできる環境の方が合っていた

大学4年生の時から漠然と救急医療はかっこいいと思い興味を抱くようになり、卒業後の修行場所として「規模が大きく、夜間救急や外科に携わることができて、症例が多くて忙しい」動物病院を考えるよう
になりました。実家が関西なので関西の動物病院も視野には入れていましたが、東京への憧れもあり、東京で動物病院探しを行うことにしました。しかしながら東京の土地勘はなく、どの病院が自分にマッチしそうなのか全く分からなかったので、頼ったのはインターネット。「東京、動物病院、24時間」で検索すると一番にヒットしたのが日本動物医療センター(JAMC)でした。

金髪・ベッカムヘアの私と茶髪の院長

大学4年生の冬休みに初めて動物病院実習に参加したのがJAMCでした。私はその頃は「就活」という意識はなく、動物病院をちょっと見学したい、という軽い気持ちでしたので、髪は金髪で、当時流行って
いた「ベッカムヘア」。その時対応してくださったのが現在JAMCグループ代表の上野弘先生です。今は東京都獣医師会会長を務めるほどカッチリされていますが、当時は茶髪でした(笑)。上野先生は今もJAMCグループのために、獣医業界のためにと様々活動されていますが、当時から動物病院の経営や獣医療の将来などに関して熱くお話しされており、学生ながら非常に感銘を受けました。大学5年生になり就職先を探すために様々な病院を見学しましたが、JAMCが常に心に引っかかっており、再度5年生の夏
に1日だけ実習へ参加しました。その時に「やはりここで働きたい」と強く思い就職希望を出し、その後に内定を頂きました。

副院長就任で、理想の職場を作る意識が芽生えた

長く働けば働くほど、やりたいこと・やれることが増え、自分自身がステップアップしていることを感じられたため、副院長就任の話を頂く前から今後もこの病院で頑張っていこうと思っていました。入社9
年目の時に副院長に就任したのですが、その時には将来的には院長も視野に、ということを打診されていました。自分の将来像として、外科や夜間救急も含め様々な症例の集まる病院でやりがいを感じながら長く勤めることをイメージしていたので、そのようなお話を頂けたことはとてもありがたかったです。副院長就任後は院長から、マネジメントや組織文化の構築について学びつつ、将来のビジョンと現在の状況を正しく理解することで経営と現場の方向性・温度感を合わせ、病院が理想的な方向に進むよう俯瞰的な立場で物事を考えられるようになってきたと思います。皆が働きやすい職場を自ら作り出すことは、医療を究めることとはまた異なる面白さがあります。

強烈なプレッシャーと、向き合い方

50年以上の歴史がある大規模動物病院をまとめていく立場として将来のマネジメントに対する不安やプレッシャーは大きく、院長就任前もある程度は覚悟していたものの、それは想像を遥かに超えるものでした。スタッフ・ご家族様・外部の方の全ての目が院長としての自分に向き、逃げも隠れもできない状況。そのような中で、スタッフ舵取りを行う必要があったり、ご家族様やスタッフの不満の声や改善してほしい点を聞くと、自分が直接否定されるように感じることもあったりで、今だから白状しますが、院長就任からすぐの時は、正直病みそうになる時もありました(笑)。そういったときに自分を支えてくれるスタッフや応援して下さる方々が精神的な支えになり、いまでも日々感謝の気持ちでいっぱいです。スタッフが活き活きと働くことができ、動物たちの健康を維持し、ご家族様が安心して通うことができる動物病院としてレベルアップさせたい。そのために、チームを牽引するプレッシャーや恐怖心を克服し、この病院をさらに前へと進めていきたいと思っています。プレッシャーやストレスと向き合うためには、スタッフやご家族様と直接話すことで現場との距離が離れないようにすること、疲れを残さないようにきちんと睡眠をとり運動をすること、常に心穏やかで笑顔でいること。この3つを意識しています。

いつも心穏やかで頼られる院長を目指して

スタッフからもご家族様からも安心して相談ごとを打ち明けていただけるよう、気分のムラを作らず感情を常に安定させ、心穏やかに過ごすよう心掛けています。私がいると安心感がある、つい頼りたくなる、と言われるようになることが理想です。忙しい時やトラブル発生時にはどうしても気持ちに余裕がなくなりがちで常に笑顔でいることは簡単ではありませんが、周囲との人間関係を良好に保つことで、個人としても組織としてもどっしりと構えていられるようになると思っています。

PROFILE

2007年に岩手大学卒業後、新卒で日本動物医療センターに入社。2012年JAHA 年次大会 (JAHA流TED) にて「勤務医から見た理想の動物病院」を発表。2012年〜2015年に日本大学付属動物病院 無給研修医(軟部外科)2015年〜2020年に日本獣医生命科学大学付属動物医療センター 研究生(整形外科)として外科のスキルを磨く。2015年に副院長、2022年に院長就任。休みの日は、運動したり料理を作ったりしています。

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