【院長先生に聞いてみた】大久保 文葉先生 大久保動物病院(群馬県高崎市)代表
臨床検査技師から獣医療へのキャリアチェンジ
高校卒業後は臨床検査技師になるため専門学校へ通い、卒業後は人の病院で勤めていました。ところがあるとき、父が経営する大久保動物病院で働くことを視野に大学で獣医療を学んではどうかと提案を受け、採血が主な業務だった臨床検査技師からキャリアチェンジすることを決め、日本獣医生命科学大学にて2年間勉強させていただきました。週5日間通い、午前中は大学附属動物病院で、午後は臨床病理学教室で学びました。人の病院で担当していた業務よりも命に直結するような内容に間近に触れることができ、のめり込みましたね。
父の大病を受け、36歳の時に代表に就任。苦労の連続だった
元々父は私に病院を継がせることは考えておらず、大病で余命を言い渡されても私には代表の話はしてこなかったんです。ただ、それから少し時間が経った時に代表にならないか、と相談を受けました。今振り返ると怖いもの知らずな部分もあったと思いますが、10年間父の傍で経営も見てきた自負もあり、代表職を務める自信はありました。ただし実際にやってみると大変なことの連続でした。苦労したのは大きく2つ。1つ目は獣医師からの信頼をどう得るか。院長である私が症例の知識が浅ければ勤務している先生方のモチベーションにも響きますから、様々な学会・勉強会に参加し、獣医師が学んでいる内容を理解できるように努めました。そういった姿勢や知識量をスタッフも認めてくれていたのは有難かったですね。2つ目は、診療について飼い主さんから厳しい指摘を受けた結果「上の者を出せ」と私が呼ばれるケース。これも1つ目と重なりますが勉強していることからくる自信が、どんな飼い主さんと応対しても引け目を感じさせないように成長させてくれました。
経営環境の変化に対応するため学び続ける
過去に日本動物病院協会の理事や動物病院マネージャー協会の会長を務めさせていただいた中で様々な方が切磋琢磨している様子を知り、私には経営に関する知識が足りないと感じるようになりました。このままではまずいと思い、2017年からオンライン制の大学で経営を4年間学びました。動物病院業界以外の経営者たちと一緒に意見をぶつける中で、リアルな経営の知見を深め、経営と真正面から向き合えるようになりましたね。
私の手柄は他人へ。病院が良ければそれで良し
以前は私が考えて実行した施策が効果が出たら私を評価してほしいという考えがありましたが、経営を学んだり、この業界で活躍している様々な方との交流を通じて、私の考えの浅はかさを感じるようになりました。現場スタッフのリアルを同じ目線で把握したいという思いから私も現場に出ていますが、私よりもスタッフや病院が目立つことの方が正しい姿だな、と今になっては思います。今でこそ臨床と経営の二足のわらじを履く獣医師院長のすごさを理解できますが、同時にそのバランスをとり続ける難しさも理解できます。これからもより良い経営ができるよう、病院をアップデートし続け、皆様に信頼していただける病院を作ってまいります。
私が大学生の頃
日獣大の臨床病理学教室での写真です。当時は学ぶことが多くて大変でしたが、それを上回る充実感があって楽しい日々でした!
お仕事中の一コマ
現場に出ることも少なくありません。数字だけではなく、スタッフの表情も見ることで、全員にとって無理のない働き方を実現したいと思っています。
休日の一コマ
ザスパクサツ群馬の試合を見に行くこともありますし、その下部組織の練習に顔を出すこともあります。サッカーは私の生きがいの1つになっています。
PROFILE
医学専門学校を卒業し臨床検査技師国家資格取得後、東京の人の病院にて勤務。その後、日本獣医生命科学大学の臨床病理学教室にて2年間研修し、大久保動物病院へ入社。現大久保動物病院代表。ザスパクサツ群馬(Jリーグ)のパートナー。2015年に完成した本院は日本を代表する設計士である隈研吾さんによるもの。座右の銘は「何かを始めるのに遅すぎることはない」。
プロフィール
名前 | 大久保 文葉 |
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病院名 | 大久保動物病院 |
職種 | 獣医師 |
出身校 | 日本獣医生命科学大学 |
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