【院長先生に聞いてみた】山口 智弘先生 博多犬猫医療センター(福岡県福岡市)院長

【院長先生に聞いてみた】山口 智弘先生 博多犬猫医療センター(福岡県福岡市)院長

フェラーリに乗るのが夢だった

私は幼少の時から乗り物が大好きで、街中で見かけた車のメーカーを答えられるような子でした。子供心に「フェラーリかっこいい!」と思い、その思いを持ったまま大人になりましたので、フェラーリへの憧れを常に抱いていました。開業して安定してきた暁には購入するんだ、と思い続けて頑張ってきた部分があり、ようやくフェラーリを購入できたことは自分への約束を果たせたような感覚です。「獣医師がそんな高級車に乗るなんて」と思われる方もいるかも知れませんが、獣医師は立派な仕事ですから獣医師が好きなものを買って何が悪い、と言いたい。私はたまたまフェラーリを買うことが1つの目標でしたが、頑張り続けた先には目標を実現できることを若い人たちにも知って欲しいです。 と、ここまで少し強気なことを言いましたが、正直に申し上げると金額も金額ですし周りの目も気になるので購入するか少し迷ったのは事実です(笑)。ただ、私が言いたいことは、この業界で働くことを悲観せずにどんな目標でも良いので目標を持って頑張り続けて欲しい、ということ。皆さんが自己実現をし活き活きと働くことこそが社会貢献であり、また、社会的地位向上に繋がると信じています。

自分が担当した子は、いつどんな時でも自分が責任を負う

私は外科手術全般を得意としているのですが、手術後に状態が変化したり飼い主さんが私と相談したくなったりするケースも中にはあります。診療終了後の夜間に病院に電話を頂いた際には録音のアナウンスを流しますが、そのようなケースに対応するためにアナウンスの中では私のプライベートの携帯番号も伝えています。近年は夜間救急専門の病院も増えましたが、私なりの医療人としての覚悟から夜間病院を案内せずにできる限り自分で対応しています。外科を得意と言いながら、飼い主さんが困った時に出てこないのは違うな、と思うんです。自分の行ったこと、自分が関わることにはしっかりと責任を負いたいと思っています。 また、自分の求める医療の質を担保するためには自分の目の届く範囲で医療を提供したいため、勤務医のカルテは教育も兼ねて全てチェックします。勤務医が診療を担当し、私が担当しなかった飼い主さんにも挨拶や薬の説明だけは行うようにしていますが、このことで少しでも飼い主さんに安心を届けたい。私の考える理想の獣医師像は、飼い主さんとしっかりとコミュニケーションを取り、信頼いただいたうえで治療にあたり、飼い主さんの心も救って笑顔でお帰りいただくこと。したがって、診察件数の多さを誇る、みたいな考えは私の中にはありません。 なお、私はカッターシャツに白衣姿で診察を行うのですが、これは自分なりの緊張感の持たせ方です。かっちりした服装だと気持ちもパリッとなり、診療により気持ちが乗ります。手術の時はスクラブに着替えますが、この「着替えて」手術に挑む、というのもまた気持ちのスイッチを入れてくれます。

一生涯の師匠を探して欲しい

これから社会に出る皆さんにお伝えしたいのは「一生涯の師匠と出会い、1人の人間としても成長して欲しい」ということ。上司や先輩となる方々の働き方や考え方は自分にも大きく影響を与えるため、人として成長できるような場所を探されることをお勧めします。仕事のスキル面だけではなく、プライベートも含め、この人は尊敬できる、この人のようになりたいと思える人の近くにいることが自分の芯を強くしてくれます。私もそのような頼られる人間になるべく、精進を続けます。

私が大学生の頃

ブラジリアン柔術(格闘技)にのめりこんでいました。大会でも優勝し、大学から功労賞を貰ったのは良い思い出です。また、魚突きにもハマり、授業前に漁師のように海に行っていた時期もありました(笑)

お仕事中の一コマ

外科が得意なのですが、スキルがあっても愛想がない獣医師にならないように心がけています。大切なご家族の命を「この先生に任せたら安心」と思ってもらえるように、対話も大切にしています。

休日の一コマ

家族との時間が仕事に活きる

プライベートが充実していないと、良い仕事はできません。なかなか休めないからこそ、家族と過ごす時間を大切にしています。娘と愛車をオープンにしてドライブすることで、ストレスを発散しています!

PROFILE

麻布大学卒業後、愛知県の動物病院で6年間勤務。設備の整った環境で頑張れば頑張るだけ見返りを受け取れることを実感しながら猛烈に働く。その後、熊本県の動物病院で副院長として外科手術を中心とした勤務を経験し、2018年に地元福岡で開業。Team HOPE会員病院(九州地区役員)でもあり、犬猫の健康診断を推奨している。福岡市博多区という好立地を活かし、動物病院スタッフ・学生向けセミナーを院内で企画し、地域動物病院同士の交流やスタッフ教育にも力を入れている。2児の父。チャレンジ精神を常に持ち、全力で人生を駆け抜けることを目標としている。

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