【つなぐワークスペシャル対談】DVMsどうぶつ医療センター横浜 獣医師 葉山 俊 先生&愛玩動物看護師 藤谷さん

【つなぐワークスペシャル対談】DVMsどうぶつ医療センター横浜 獣医師 葉山 俊 先生&愛玩動物看護師 藤谷さん

夜間診療と二次診療の両立
獣医師と動物看護師がタッグを組むから実現できる医療がある

どうぶつ医療センター横浜は有志の集まりで始めた

葉山 : 病院がある横浜市は人口370万人の都市で政令指定都市の中で人口が最も多いにも関わらず、今から20年ほど前は夜間診療専門の動物病院がなく、それぞれの先生が無理して夜間診療を行っていたんです。そこで、このままじゃいけないという強い思いを持った有志の先生方が集まって設立したのがこの病院です。その後、大学病院などの二次診療の予約が取れなくて飼主様や動物病院が困るケースが発生するようになったため二次診療も行うようになりました。このように当センターは「足りないものは自分たちで作る」という精神で飼い主様や動物、動物病院の困りごとを解決してきました。

藤谷 : そんな過去があったのですね。最近は以前より夜間診療施設や二次診療施設が増えてきている印象がありますが、当センターの特徴や強みはどういう点なのでしょうか?

葉山 : 夜間診療と二次診療の機能を両方持っていることですね。救急外来を受診した動物がそのまま入院して二次診療を受診したり、二次診療を受診した動物の様態が悪化すれば救急診療で対応している点は飼い主さんの安心に貢献できていると思います。24時間体制で入院看護を行っている点も、安心の面で大きな要素だと思います。また、勤務するスタッフからしても各方面の専門性を持った獣医師と関わる事で医療レベルが向上することも当センターの魅力ですよね。そういえば藤谷さんはどうして当センターで勤務することを決めたのですか?

藤谷 : 元々当センターに愛犬を受診させたことがきっかけです。愛犬が受診し入院した時、動物看護師さんが書いてくださる入院記録から皆さんの動物と飼い主思いな温かい心が伝わってきて、飼い主としてとても安心した気持ちになったことをずっと記憶していました。就職活動を始めた時にまず当センターが思い浮かび、温かい心で看護をされる動物看護師さんのいる病院で私も働きたい、難しい症例の動物たちを救える二次診療の病院で私も力を尽くしたい、という思いで入社を目指しました。また、夜中に動物の体調が悪くなった時にどうしたらいいかわからない、心配でたまらないと大きな不安を抱える飼い主様と苦しむ動物たちの力になれることも魅力の1つでした。葉山先生は長く当センターにいらっしゃるとお聞きしましたが、どういう流れで今に至るのでしょうか?

葉山 : 2004年当時の夜間診療専門の当センター立ち上げの際に勤務獣医師としてDVMsに入社し、夜間診療を担当していました。その後、独立して動物病院を開業しながらも当センターの取締役としてずっと関わりを持っていて。2021年には自分の動物病院を事業承継にて手放し、当センターの業務に専念することにして今に至っています。

父が亡くなり、毎日泣く母を見てきた。
母の大事な家族である愛犬を守ることで、母を守りたい。

葉山 : 藤谷さんはどういうきっかけで動物看護師を目指したのですか?

藤谷 : 私は高校生の時に父を亡くしました。その時に毎日泣いている母の姿を見て、「もう母をこんなに泣かせたくない」と強く思ったんです。「この子、つまり私の妹でもあるこの愛犬の命は絶対に守りたい。この子の最期の瞬間を家族全員で迎え、私が幸せに送り出すんだ」と考えるようになり、動物看護師を目指しました。高校は国際科でほとんど英語しか学んでこなかった私にとって動物看護を学ぶ大学への進学に進路を変えるのは大きな決断でした。

葉山 : 辛い経験が今を導いているのですね。本当にすごい決断だと思います。愛玩動物看護師になった今、働いてみて大変なことはどういう点ですか?

藤谷 : 大学で4年間学んだだけの私に何ができるのだろう、と不安だらけで入社しました。ところが、知識豊富で優しい先輩看護師が指導してくださるのでその不安は払拭できました。私自身の勉強と努力が必要不可欠なのは言うまでもありませんが、質問できる風通しのよさのおかげで日々充実した動物看護師生活を送れています。

葉山 : 特に1年目は学生の時とのギャップが大きいので大変な思いをされることもあると思いますが、それを聞いて安心しました。当センターは二次診療と夜間診療を専門にしている性質上、重症例や緊急症例が集まりますので、命の重さに向き合う大変さはありますが、病院の方針や診療に取り組む姿勢に共感できる方にとってはこれほどやりがいのある環境はないと思います。獣医師や動物看護師として自分を成長させたい方にこそチャレンジしていただきたいですね。

獣医師には獣医師の、
動物看護師には動物看護師にしか果たせない役割がある

葉山 : 私が20年前にDVMsで勤務している頃に得た夜間診療の際の知見はとても価値のあるもので、その後の獣医師人生や独立開業にも大きく役に立ちました。夜間診療は緊急性の高い子が来ますから、その場で判断してその場で治療することが求められます。先輩獣医師のやり方を学びながら私も少しずつ対応できる幅と深さが広がりましたが、それと同等に学んだのが「決断力」でした。どういう症例がきても対応できる心の余裕を身につけられたのは一生の財産です。藤谷さんは、動物看護師の価値はどういうところにあると感じていますか?

藤谷 : 動物の状態や変化を近くでみることができるのは動物看護師ならではだと思います。飼い主様の中には獣医師の前では「しっかり先生の話を聞かなければ、問診に答えなければ」と力が入ってしまう方もいらっしゃいます。入社してまだ数ヶ月ですが、動物看護師に対してだからこそ表現できる心配事やお気持ちがあるのだろうと感じる場面を経験してきました。飼い主様の弱音や本音を引き出し、受け止めることも動物看護師の役割だと思うと、飼い主様にとっても、治療を頑張る動物にとっても、動物看護師の果たす意味合いというのは非常に大きいと思います。

葉山 : 獣医師と動物看護師の役割をそれぞれが果たすことで、素晴らしいチーム医療ができそうですよね。藤谷さんはまだ1年目ですがとても信頼できる看護師さんで、他のスタッフにも良い影響を与えてくれています。藤谷さんの考える、理想の動物看護師像はどういったものですか?

藤谷 : 動物に対しても飼い主様に対しても、一緒に働く仲間に対しても「目配り、気配り、心配り」が当たり前にでき、「心に寄り添う」ことのできる動物看護師になりたいです。この仕事には広い視野と心の余裕が必要だと感じていますが、今の目標は知識を増やし経験を重ね、一刻を争う状況でも最良のチーム医療を発揮することです。「目配り、気配り、心配り、そして心に寄り添う」は幼い頃から父に教わってきたことで、私の人生のテーマです。

葉山 : 本当に頼もしい!飼い主様、動物、かかりつけ病院、スタッフ皆の不安を解決するために、常に勉強して、連携を深めて、より良いチーム医療を目指して行きましょう!

Profile

DVMsどうぶつ医療センター横浜 葉山 俊先生(獣医師)

2016年 麻布大学獣医学部獣医学科卒業
2001~2003年 横浜市内動物病院にて勤務
2003~2006年 DVMsどうぶつ医療センター横浜 救急診療センターにて勤務
2006~2021年 横浜市内で動物病院を開業
2021~2024年 DVMsどうぶつ医療センター横浜 救急診療センターにて勤務
2024年~ DVMsどうぶつ医療センター横浜 総合診療科に着任
座右の銘 :今を情熱的に生きる
趣味 :ジム、水泳、ソロキャンプ

DVMsどうぶつ医療センター横浜 藤谷 桜子さん(愛玩動物看護師)

出身学校:ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 動物看護学科
入社 :2024年4月
座右の銘 :死ぬこと以外かすり傷
趣味 :お弁当作り、焼きいもの食べ比べ

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