【先生と先生と、◯◯と。】つなぐワークスペシャル対談２
テーマは「同級生×開業医×経営者」
動物たちの生命と日々向き合う動物病院の先生たち。こちらの記事ではそんな先生たちに一つのテーマをもとに対談していただき、普段あまり語られることのない内容について深掘りしていきます。第一弾を記念して、2組の院長先生によるつなぐワークだけの特別対談をお届けします。
岩手と名古屋と京都
学生時代の話
杉崎：学生時代は家庭教師や引っ越しのアルバイトをしていました。学生の時は北中先生と関わりは深くなくて、麻雀を一緒にやる程度の仲でした。大学を卒業して奈良に就職しましたが、北中先生は大阪にいたので会う機会も多く、卒業してからよく会うようになりました。
北中：私はビアガーデンや家庭教師、イタリアンカフェのボーイやラウンジのボーイなど、主に接客業のアルバイトをやっていました。技術的なことよりも話術を学んだほうがいいと思っていました。
就職を決めた時の選定条件、開業するまでの期間は？
杉崎：名古屋で開業を考えていたので、名古屋に近いエリアの関西の病院を回りました。厳しい院長のもとで働きたいと思っていたので、休みと給与、会社の体制で就職先を決めました。当時は珍しかったのですが、週休2日制や1週間の連続休暇なども当たり前にあって、残業代もしっかり出ていました。その代わりにすごく生産性を求められて、リーダーシップの強い病院だからこそできる教育を受けていました。4年4ヶ月くらい働いて、その後に開業をしました。
北中：私は地元が大阪なので、父親と同級生の方がやっている病院に就職をさせてもらいました。給与はそこまで考えていなくて、院長の人柄で就職先を決めました。当時獣医の業界はブラックな部分が多くて色々な経験をしましたが、良い面と悪い面と両方見れて良かったなと思います。そういう意味では、杉崎先生は最初からきちんとしたところで働いていて、やっぱり僕と違いがあるなと、きちんとしているなと思いました。開業は実家の土地でやろうと思ったのですが、計画がうまくいかなくて開業するまで6年かかりました。
杉崎：今の時代に合うかわかりませんが、周りを気にするとかたくさん病院を見た方がいいとかは気にしなくてもいいと思います。開業してからも、わからないことや困ったことがあれば誰かに頼ることもありますが、自分の責任で行う仕事は全然違います。緊張感が自分を育てると思いますね。
開業をしたからこそできた経験は？
杉崎：開業することで雇用者の立場になって、そこで難しさとか楽しさとか、どうやったらうまくいくかっていう悩みがあるので、そこで初めてわかることが多かったですね。今私たちが共有できるところは、それぞれの悩みを話したり、新しい取り組みを話すと自分の会社に対しても面白いと思うので、同級生でよかった点が大きいと思います。歳を取れば取るほど責任も増えて、孤独になるので、孤独同士で話ができるところは一番良い点です。治療とか医療もそうですが、こういう話ができるのが心が休まったり参考になったりするので、プラスかなと思います。
北中：開業をして得られたことは、責任は自分にかかってくるけど、すごくやりがいは感じられるし、スタッフが増えると人間関係の問題もありますが、そのスタッフがいるから病院がうまく回っているということもあるし、それぞれの価値観があって仕事をしているというのは楽しいですね。
開業医と勤務医の違いは？
杉崎：家族の付き合い方は勤務医の方がいいと思います。うちのスタッフには「お父さん・お母さんがかっこいいと思ってもらえる仕事をしてよ」と言っています。開業すると家族と仕事の両立は難しいと思うので、勤務医の方はそれができる分羨ましいですね。
北中：杉崎先生に価値観が似ていると言われたことがあって、僕は家族を大事するから違うと抵抗していましたが、やっぱり自分がやりたいことをやってしまうので、家族を犠牲にしているところはありました（笑）
杉崎：スタッフのために何かをやってあげようとするとその分時間も取られるし、家のことは考えられないので優先順位が仕事になってしまいます。仕事と家族の両立ができたり、獣医療に対して成長ができたりするのは勤務医の方が絶対にいいと思います。
Profile
セナ動物病院 洛北アニマルウェルネスセンター 北中 千昭先生（院長／獣医師）
大阪府寝屋川市出身。岩手大学卒業後にアメリカへ１年間の臨床研修の後に、大阪の動物病院で7年勤務。2003年にセナ動物病院 洛北アニマルウェルネスセンターを開業。
まさき動物病院 杉﨑 勝樹先生（院長／獣医師）
愛知県名古屋市出身。岩手大学卒業後に奈良の動物病院で約4年勤務。2000年にまさき動物病院を開業。
