2024.09.27 コラム記事

獣医師がフリーランスを目指すには?フリーランスのメリット・デメリットを解説

獣医師がフリーランスを目指すには?フリーランスのメリット・デメリットを解説

近年、働き方改革やコロナ禍の影響で、働き方の多様性が生まれてきています。
獣医師の働き方にも多様性が生まれ始め、フリーランス獣医師という働き方が注目されています。

フリーランスという働き方は、自由なイメージが強く、憧れる方も多いでしょう。

しかしフリーランスには、良い面だけではなく、悪い面もあります。
本記事では獣医師がフリーランスを目指す方法を解説します。

フリーランスとして独立してから失敗しないように、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランス獣医師が求められる現場

フリーランスとは、個人で仕事を請け負う働き方です。
厚生労働省ではフリーランスを「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」と定義しています。
フリーランス獣医師は、獣医師の国家資格を活用し、個人的に仕事を請け負う働き方です。

フリーランス獣医師が求められる現場は、以下のものが挙げられます。

  • 診療業務(総合診療・専門診療)
  • 学校や地域のイベントの講師
  • 研究職
  • 動物愛護活動
  • 動物病院のコンサルティング業

フリーランス獣医師の特徴に、仕事内容、勤務時間、場所などがある程度自由に選択できる点が挙げられます。
場合によっては獣医療以外のスキルが必要になることもあります。

フリーランス獣医師を目指すのは難しい?フリーランスになる方法は?

何の準備もなくいきなりフリーランス獣医師になることはできません。
ここではフリーランス獣医師になるために必要なスキルや行動について解説していきます。

得意分野を身につける

得意分野を身につけることは、フリーランス獣医師を目指す上で最も重要です。
フリーランス獣医師が働く現場の多くは、専門知識を持った人材や即戦力になる人材を必要としています。
フリーランス獣医師は自分自身を売り込むために、得意分野を明確にすると良いでしょう。

また、これからフリーランス獣医師を目指す方は、自分のスキルを向上させることに時間を費やすことが重要です。

勤務先を見つける

フリーランス獣医師が勤務先を見つけるには以下の方法があります。

  • WEBで探す
  • 人材紹介サービスを使う
  • 知人の紹介を受ける

それぞれ解説していきます。

WEBで探す

WEBで探す方法には

  • 動物病院のWEBサイトの求人ページから探す
  • 求人サイトから探す
  • クラウドソーシングから探す

などがあります。

しかし、フリーランス獣医師を求めている動物病院は比較的少ないです。
そのため、動物病院のWEBサイトからフリーランスの求人情報を見つけるのは現実的に難しいでしょう。
求人サイトやクラウドソーシングからフリーランス獣医師の情報を見つける方が一般的には簡単です。
複数のサイトを随時チェックし、自分にぴったりな条件がないか確認しましょう。

人材紹介サービスを使う

効率的にフリーランスの求人情報を探すなら、人材紹介サービスを利用するのもおすすめです。
人材紹介サービスは、自分のこれまでの実績やプロフィールから、自分に合う条件の求人を探してくれる点が最大の特徴です。

その他にも

  • 報酬未払いなどのトラブルを防ぎやすい
  • 非公開求人の取り扱いもある
  • 採用後のやりとりも代行してくれる

などのメリットもあります。

自分で求人を探すのには膨大な手間と時間がかかってしまうので、効率的に求人を探したい時に人材紹介サービスは非常に有効な手段です。

紹介を受ける

獣医師業界は狭い業界のため、横のつながりが非常に強いです。
フリーランス獣医師として働くには、その横のつながりを活かして、働く先を紹介してもらうのも有効です。
既に自分と関わりのある人から紹介してもらえる分、自分の実績やスキル、性格などがマッチしやすい点が利点として挙げられます。

ただし、横のつながりが強すぎるあまり、トラブルが生じた際に多方面からの信頼を失うリスクもあります。
自分の人脈を活かした紹介は注意しながら利用しましょう。

必要書類を提出する

フリーランスになる場合、開業や税金などに関する書類を用意し、提出する必要があります。
動物病院に勤務している場合と違って、フリーランス獣医師は煩雑な事務手続きもすべて自分で行わなければなりません。

フリーランス獣医師は、以下のものを届け出る必要があります。

  • 開業届:個人事業主として収入を得るための届出を所轄の税務署に提出
  • 青色申告:特別控除額で節税効果が期待できる青色申告承認申請書を提出
  • 確定申告:年間所得の申告、納税
  • 健康保険・年金関係の手続き:国民健康保険と国民年金に加入

また、必要に応じて事業用の銀行口座を開設します。

後回しにしがちな手続きですが、フリーランス獣医師として活動するのであれば、早めに届け出るようにしましょう。

フリーランス獣医師になるメリット

フリーランスの働き方には様々なメリットがあるため、フリーランス獣医師は以前に比べて増えてきています。
ここではフリーランス獣医として働く主なメリットを紹介します。


働く場所や時間が自由に決められる

フリーランス獣医師は、働く場所や時間、休みや仕事量、関わる人間関係を自分で決められます。
働き方によっては、勤務獣医師には難しい長期休暇を取ることも可能です。

依頼が多いフリーランスの獣医師になれれば、条件が合わない仕事を断ることもできます。

引っ越しや結婚などの変化に対応しやすく、転職する必要もありません。


高収入を目指せる

フリーランス獣医師は、自分次第で収入アップを見込めます。
勤務獣医師の収入の多くは、病院の中で決められた給与の上がり方しかしないので、収入を一気に上げることは難しいです。

一方、フリーランス獣医師は、受注先を増やしたり、高額な報酬の案件を受ければその分売り上げが増え、大幅に収入を上げることも期待できます。
ただし、収入を上げるためには、自分の獣医師としてのスキルや、自分を売り込むための営業スキルなどが必要になります。
場合によっては収入が下がる可能性もあることも知っておきましょう。

フリーランス獣医師になる際の注意点

フリーランス獣医師になることはメリットばかりではありません。
漠然とした憧れでフリーランスを目指すのはリスクもあります。
フリーランス獣医師のデメリットもご紹介していきます。

社会的信用を得づらい

フリーランス獣医師は、安定した収入源の確保が難しい場合があります。
よほどのことがない限り解雇されない正社員とは違い、フリーランスの契約はいつでも解除することができます。

実力不足、人間関係の問題、病気や怪我でも職を失う可能性もあります。
そのためフリーランス獣医師は社会的信用が得づらく、クレジットカードの審査が通過しにくい、ローンを組みにくいなどのデメリットがあります。

トラブルがあった時に会社が守ってくれない

獣医師が獣医療を提供する際に、医療ミスなどにより顧客からの信頼を失ったり、場合によっては訴訟問題まで発展することがあります。

フリーランス獣医師はあくまで個人なため、自分の仕事の範囲で起きた問題は全て自己責任となります。
契約書を勤務先と取り交わしておくとある程度リスクは軽減されるでしょう。

まとめ

本記事では、獣医師がフリーランスを目指す方法を解説しました。

フリーランス獣医師は、自由度が高く、自身の働き方次第で、理想的なキャリアを構築できます。
責任と自己管理能力がある方は、高収入を得られる可能性もあり、フリーランスが向いていると言えるでしょう。

自分の市場価値を高め、リスクも把握したうえで、フリーランスとして働くことを選択しましょう。

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